ポリプラスチックスは1月26日~28日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された「新機能性材料展2022」にダイセルと共同出展し、多種多様な製造方法に適用して付加価値のある製品化をサポートできる「エンプラファインパウダー」と、射出成形が可能な最高峰クラスのスーパーエンプラ「ポリエーテルケトン(PEK)樹脂」の二つの開発品を披露した。
同社では、エンプラを使って強度の高い3Dプリンター造形品を作りたい、ポリフェニレンスルフィド(PPS)でフィルターを作りたい、材料の誘電特性や耐薬品性、機械強度などを簡単に改善したいなど、ペレット形状では不可能な製造方法でもエンプラを使用して製品に新たな機能を付加したいとのユーザーニーズに対し、特徴ある形状で微細・シャープな粒度分布にコントロールされた「エンプラファインパウダー」を開発している。ポリアセタール(POM)パウダーを用いたSLS/3Dプリンター造形品や、PPSパウダーによる多孔質成形体、液晶ポリマー(LCP)パウダー、環状オレフィン・コポリマー(COC)パウダー添加による誘電特性の改善、機械特性の改善などに応用が可能となる。本年4月ごろから量産を開始する予定となっている。
同社ではまた、子会社のダイセル・エボニック(本年4月からポリプラ・エボニックに社名変更)が取り扱うポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の機能上位の材料で、射出成形が可能なスーパーエンプラ「ポリエーテルケトン(PEK)樹脂」の開発を進めている。2022年度内に量産を開始する予定。融点370℃、ガラス転移温度155℃の熱可塑性スーパーエンプラで、高強度・高剛性・高耐熱・高耐久の特徴を有する。劣化しにくいためリユース・リサイクル使用などが求められる用途への展開が期待できる。エンプラ専門企業ならではのテクニカルサポートによって、樹脂化困難だった金属部品の軽量化を図りたい、樹脂製品の耐久性・耐熱性を高めたい、射出成形で耐熱・耐久部品の生産性を上げたいといったユーザーニーズに対応していく。