カネカ、イスラエルEndoStream Medical社を子会社化

2025年01月09日(木曜日)

 カネカは、イスラエルの医療機器会社であるEndoStream Medical社の株式を昨年12月23日に96.8%取得し、子会社化した。カネカのモノづくりとESM社の技術との融合により、現在開発中の動脈瘤治療用デバイス「Nautilus™」に加え脳血管内治療を中心に新たな医療機器の共同開発を進め、2030年に200億円以上の売り上げを目指す。

 ESM社は、脳血管疾患分野で革新的な技術を有するメーカーで、長年、治療現場が待ち望んでいた脳血管の広い開口部を持つ動脈瘤の治療が可能な脳動脈瘤治療用デバイス「Nautilus™」を開発中。このデバイスは、特殊な構造により塞栓コイルとの併用で瘤への血流を遮断し、既存デバイスでは困難だった治療を容易にする。

 本製品は、昨年11月の欧州での薬事承認に続き、2026年春に米国で、その1年後に日本での承認・上市を計画している。

 カネカは、心臓・末梢血管疾患および脳血管疾患の治療デバイスや、消化管疾患の治療に用いる医療機器など、幅広い分野で事業を展開しており、中でも、成長分野である脳血管疾患分野では、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の破損を予防する塞栓コイル「i-ED COIL®」や、脳梗塞の経皮経管的脳血栓回収用機器「Tigertriever®」を展開しており、さらなる成長に向けて、製品ポートフォリオの拡充を進めている。これらMedical事業を含むHealth Care Solution Unitで2030年には3000億円の売り上げを目指す。

カネカ イスラエル社買収 脳動脈瘤治療用デバイス「Nautilus™」 ソフトマター
脳動脈瘤治療用デバイス「Nautilus™」

 

カネカ イスラエル社買収 脳血管の動脈瘤に「Nautilus™」と塞栓コイルを詰める手順 ソフトマター
脳血管の動脈瘤に「Nautilus™」と塞栓コイルを詰める手順

 

カネカ イスラエル社買収 「Nautilus™」紹介動画 ソフトマター
「Nautilus™」紹介動画