東京都、SusHi Tech Square 第1期展示を開催、ソフトマター研究分野も展示

2023年08月30日(水曜日)

 東京都は、最先端のテクノロジー、多彩なアイデアやデジタルノウハウによって、世界共通の都市課題を克服する「持続可能な新しい価値」を生み出す「Sustainable High City Tech Tokyo (SusHi Tech Tokyo)」を推進する取り組みの一環として、東京都千代田区に「SusHi Tech Square」を開設、1階フロアでは8月28日から体験型メディアアートなど創造性に富むコンテンツの第1期展示が開催された。

SusHi Tech Square ソフトマター メカニカル・テック社
SusHi Tech Square

 

 8月28日、29日には以下の展示がなされた。

「3Dフードプリンターが拓く食の未来」古川英光氏(山形大学工学部ソフト&ウェットマター工学研究室(SWEL))

 同研究室が開発したバスタブ方式の3Dフードプリンター「LASERCOOK」と、世紀と共同開発したスクリュー方式の3Dフードプリンター「FP-2400」を展示。バスタブ方式の3Dフードプリンターでは、簡易な食材交換を実現しているほか、中空構造が可能で、軟質・ゲル状食材に対応している。また、スクリュー方式の3Dフードプリンターは安定した押し出しを実現するほか、食材の継ぎ足しや2色造形を可能としている。
 当日は3Dフードプリンターで作った寿司を披露したほか、料理専門家とともに3Dフードプリンターによるレシピ開発を進めていることや、3Dフードプリンターの活用によって介護食などにおいて自分の好みの味が手に入り自分のヘルスデータと連動した自分に合った食材・栄養を最適化できるといったメリットや、コンビニエンスストアなどに3Dフードプリンターを置いて一人ひとりの希望に添った「パーソナライズド製品」を作ることができる「コンビファブ(コンビニエンスファクトリー)」構想などについて紹介した

SusHi Tech Square 2台の3Dフードプリンターとそれらを用いて造形した寿司を紹介する古川英光氏 ソフトマター メカニカル・テック社
2台の3Dフードプリンターとそれらを用いて造形した寿司を紹介する古川英光氏

 

 また、11月19日まで開催される「わたしのからだは心になる?展」では、以下の展示がなされた。同展はアートとテクノロジーを駆使して、現代における「身体」のありようを鋭く問いかける作品群が集結、自分固有のものだと思っていた体が、まったく異なるカタチや感覚になる体験をしたり、社会のなかの身体の存在を考えたりする機会を提供した。

「ZONE1 機械と身体:わたしのからだに あの子 がいる Puff me up!」ソン・ヨンア氏(法政大学)+鳴海拓志氏(東京大学)+新山龍馬氏(明治大学)+勢井彩華氏(法政大学)

 小型・軽量・安全かつデザイン自由度が高い分身ロボット「Puff me up!」を披露。外皮が布でできており、必要な時だけ空気でふくらんで現われ、内部の紐を制御することで狙った動きを作ることができ、使わない時には薄く折りたためる。普段は衣服の一部のように着用でき、必要な時だけスイッチを入れるとフワッと空気でふくらんで、その姿を現すPuff me up!を実際に自分の腕につけて、それがペコペコと挨拶してくれる体験コーナーなどを設置。本ゾーンでは、布でできたやわらかな感触のウェアラブル分身ロボットと触れ合うことによる、未来のコミュニケーションを提案した。

SusHi Tech Square 「わたしのからだに あの子 がいる Puff me up!」ゾーンの様子 ソフトマターメカニカル・テック社
「わたしのからだに あの子 がいる Puff me up!」ゾーンの様子