NOK、再生医療分野に貢献する製品・技術を開発・披露

2021年10月19日(火曜日)

 NOKは、再生医療や細胞培養を社会生活に取り入れ、貢献していける製品・技術を開発しているが、10月13日~15 日に横浜市西区のパシフィコ横浜で開催された、再生医療分野の研究開発の加速・産業化を目指すアジア最大級のパートナリングイベント「再生医療 JAPAN」に出展し、以下のとおり開発中の製品・技術を披露した。同社ではまた、今後を見据えた開発パートナーも募集している。

NOK展示ブース ソフトマター メカニカル・テック社
NOK展示ブース

 

 水と同じ屈折率の透明樹脂「MEXFLON®」…同社独自のフッ素化学技術を生かし、水と同じ屈折率という光学特性を有した透明フッ素樹脂「MEXFLON®(メックスフロン)」を開発。水との界面において光の屈折がほとんど生じないため、従来の透明材料越しで歪んで 見えていた対象物を、クリアに観察することができる。これらの特徴を活かした細胞培養容器としての活躍が期待でき、「細胞培養容器に影が生まれ、細胞が観察しにくい」、「画像解析による細胞検査の精度を上げたい」という課題を解決する。

NOK MEXFLON ソフトマター メカニカル・テック社
細胞培養の様子。従来の容器と異なり光学観察の妨げとなる影が生じない

 

 細胞の培養から輸送までの作業をシームレスに行える「細胞培養・輸送アタッチメント」…細胞の培養・観察・輸送を一貫して行えるアタッチメントを開発。透明なガス透過性の高い材料を使用することで、細胞培養に必要なガスの交換がスムースになり、またチューブを接続した灌流培養(液体を流して生体と同じようなような環境を作って培養する手法)も行える。培地の振動の要因となる気泡が抜けやすい特殊構造のため、輸送時の細胞へのダメージも軽減。細胞の培養から輸培までの作業をシームレスに行える。

細胞培養中のシャーレにかぶせて使用することを想定しているため、使用中の容器に合わせた設計が可能 NOK ソフトマター メカニカル・テック社
細胞培養中のシャーレにかぶせて使用することを想定しているため、使用中の容器に合わせた設計が可能

 

 異物混入対策がなされたマイクロ流体デバイス「ダイヤフラムポンプ式マイクロ流体デバイス」…同社が有するゴムの混練技術とマイクロ流体デバイスの開発技術を融合し、外気と遮断された構造のマイクロ流体デバイスを開発。チューブ等を使用しないため、異物が混入しにくく、高い衛生管理が求められる場での活躍が期待できる。また、送液にダイヤフラムポンプを採用することで、一定の速度で送液が可能。コスト・工数の削減に貢献し「マイクロ流体の送液を自動化したい」という課題を解決する。

アクチュエータ等によって一定速度で安定した送液が可能 マイクロ流体デバイス NOK ソフトマター メカニカル・テック社
アクチュエータ等によって一定速度で安定した送液が可能