第3回 次世代3Dプリンタ展が開催

2021年03月09日(火曜日)

 「第3回 次世代3Dプリンタ展」が2月3日~5日、千葉市美浜区の幕張メッセで開催された。ソフトマター関連では以下の出展があった。

第3回次世代3Dプリンタ展のもよう
第3回次世代3Dプリンタ展のもよう

 2018年4月より活動を開始した、やわらか3D共創コンソーシアム(会長:山形大学 古川英光教授)の展示ブースでは、完成したばかりの『やわらか3D宣言』のブックレットを展示・配布した。同コンソーシアムでは、誰もが「やわらかものづくり」を利用できる未来をあるべき姿として、その実現の共創を目指すべく、水道の蛇口をひねると水が出てくるかのようにユーザーの手元にゲルを提供する「GelPiperプログラム」のようなプラットホームの研究開発を進めていく上で、技術者のメリットを高めることよりも、ユーザーのワクワクを実現することの方に価値を置くことで初めてユーザーの利用拡大が進むとして、やわらか3Dに関する考え方を宣言したもの。

『やわらか3D宣言』のブックレット
『やわらか3D宣言』のブックレット

 日本3Dプリンターは、国内で現在までに1000社以上の導入事例を持つ世界総合評価No.1の低価格業務用3DプリンターRaise3Dの高性能エントリーモデル「Raise3D E2」を展示した。0.02~0.25mmの積層ピッチと、XY軸±0.78125μm、Z軸±0.078125μmの位置決め精度、独自開発のスライシングソフト「ideaMaker」により、真の高精度と業界トップクラスの寸法精度を実現、後処理コストを最小限に抑える。独立型デュアルエクストルーダーにより、同モデルの複数造形が可能になり生産能力を向上させるほか、対象の3Dモデルと左右対称のモデルを生成し造形時間を短縮する。自動でノズルとベッドの間の距離を維持し均一なビルドエリアに調整。エクストルーダーが造形表面の小さな変化にも対応できるようにすることでベッドの接着力と造形品質を向上。さらに、業界初のビデオアシストオフセット調整により、誰でも安定して精度の高い造形が可能になる。

Raise3D E2
Raise3D E2

 BMF Japanでは超高精度技術により、樹脂部品の造形許容誤差を±10um~±25umまで縮小、リードタイムを最短1営業日まで短縮していること、さらには、金型不要の3Dプリンティングプロセスによって多額の射出成形用の金型作成費用を削減できることをアピールした。精密製造手法の一つである光造形システムと比較して、実用的な造形サイズと速度を維持しながら、2〜10 µmの範囲の非常に高解像度の部品を製造できることを謳った。心臓血管ステントや遺伝子シーケンサ―バルブプレートなどの医療器具、コネクタベースやマイクロ流路など精密部品といった微細で複雑形状のモデル事例を多数披露した。

微細・複雑形状のモデル事例
微細・複雑形状のモデル事例