ポリプラスチックス、耐ディーゼル燃料性を改良したPOM樹脂を開発

2020年05月13日(水曜日)

 ポリプラスチックスは、このほど低品質ディーゼル燃料や酸性雨への耐久性を向上させたポリアセタール樹脂(POM)「ジュラコン®POM H140DR 」を開発した。

物性比較
物性比較

 

 現在、自動車の燃料タンク周りの部品にはポリアセタール(POM)が数多く使用されており、同社の「ジュラコン®POM」もその優れた機械特性、耐熱性、耐燃料性、良好な成形加工性から採用が進んでいる。

 自動車の電動化が進む一方で、商用車用途では一定数ディーゼルエンジンの需要があり、グローバル市場に目を向けると酸や硫黄が高濃度で含まれる低品質なディーゼル燃料が存在することから、標準的なPOMでは対応できないケースがあった。

 ポリプラスチックスではこうした市場での課題に対応するため、耐ディーゼル燃料性(下図3点を参照)を改良した「ジュラコン®POM H140 DR」を開発したもの。

 今回開発したグレードは、POMが持つ燃料系部品に必要な基本特性(機械物性・耐久性・溶着性など)を維持したまま 、耐燃料性・耐酸性を向上。POMに悪影響を及ぼす酸や硫黄が高濃度で含まれるような低品質のディーゼル燃料、酸性雨や酸性の洗浄剤などへの耐久性を高めることでグローバル展開を可能にしている。さらに、成形性の向上にも成功している。

耐ディーゼル燃料性1耐ディーゼル燃料性2耐ディーゼル燃料性3