やわらか3D共創コンソーシアム、「みんなでつくる やわらか3D EXPO」を開催

2023年12月04日(月曜日)

 やわらか3D共創コンソーシアム(会長:古川英光 山形大学教授、https://soft3d-c.jp/)は11月25日、日本科学未来館で「みんなでつくる やわらか3D EXPO」を開催、ゲルや食品のようなソフトマターを材料として3Dプリンターで印刷すると、どんなものを作り出すことができるかという最新の取り組みを発表した。2018年に設立された同コンソーシアムによる、初めての市民向けの一般公開イベントとなる。

やわらか3D共創コンソーシアム みんなでつくる やわらか3D Expo 月刊ソフトマター メカニカル・テック社
開催の様子

 

 今回は、各種の3Dプリンターを活用した制作物、食品、さらに3Dプリンターや食感解析AIロボット「GelBiter(ゲルバイター)などの展示がなされた。

 当日は展示と並行して、①ファッションテックデザイナーのOlga氏と山形大学准教授 小川純氏が登壇した「ソフトマシンEXPO 超不思議ブロックで宇宙生命体開発」、②サイエンスライターの土屋 健氏と古生物学者の芝原暁彦氏が登場した「古生物たべたい!」、③グリーンエース社長の中村慎之祐氏とe-Donuts研究会代表理事の織山純氏が登壇した「低温凍結粉砕ゲル粉末による食品の革新的長期保存技術の開発」、という三つのトークショーを実施した。

特に③のトークショーは、古川会長がPMを務める「ムーンショット型農林水産研究開発事業」が何を目指しているかについて市民に向けて説明する始めての機会となった。フードロスとエネルギーロスの問題を同時に解決するために、3Dフードプリンターの材料にも活用できる、長期保存可能な食品粉末を創り出す国家プロジェクトで、食べられるソフトマターをアップサイクルで供給する試みとして位置づけられている。