大塚化学(https://www.otsukac.co.jp/)と同社子会社の東山フイルム(https://www.hynt.co.jp/)は9月28日~30日、「N-PLUS ものづくりとモビリティに新たな価値をプラスする」内の「プラスチック高機能化展」に出展、以下のような新技術を紹介した。
大塚化学は、繊維長10~20μm、繊維径0.3~0.5μmの極めて微細で高強度・高剛性、優れた摩擦摩耗特性などを有するチタン酸カリウム繊維「ティスモ(TISMO)」の遮熱性能を実測実験によって提示した。酸化チタン(TiO2)顔料にMicrospheres Ceramic(マイクロセラミック)を混合した市販の遮熱塗料を塗布した面に対して、TiO2顔料にTISMOを配合した遮熱塗料を塗布した面で明確な遮熱効果(温度低減効果)が確認された。
大塚化学はまた、ティスモの各種特性と各種熱可塑性プラスチックスの特性を巧みに組み合わせた機能性樹脂複合材料「ポチコン」の特性を発現できる「ポチコン3Dプリンティングフィラメント」で造形した多数の可動部品を搭載したサービスロボットを披露した。
東山フイルムは、ウエットコーティングでありながら、スチールウールで擦っても傷が付かない反射防止フィルム「タフテリア(TOUGHTERIOR)」のサンプルを展示した。来場者にスチールウールでフィルムを擦らせ、傷が付いていないことを示すデモンストレーションを行った。「TOUGHTERIOR-AR-EK3S(基材:特殊フィルム)」は、低反射・高硬度で耐擦傷性に優れ、「TOUGHTERIOR-AR-F(基材:PET)」は低反射で耐屈曲性・耐擦傷性に優れる。フォルダブルディスプレイ表層やローラブルディスプレイ表層への適用に最適。
東山フイルムはまた、高分子量域での高度な分子量制御を実現し粘着剤に使われる大塚化学の「TERPLUS」の技術を離型剤に応用することで、シリコーンセパに迫る超軽はく離を実現し、加熱後の経時でのはく離力変化を最小化するノンシリコーン離型フィルム「HY-NS40(耐熱・超軽はく離)」および「HY-NS45(耐熱・軽はく離)」を紹介した。いずれも耐溶剤性に優れるほか、低分子シロキサン成分が含まれないため汚染の懸念がない。