エボニック、硬質発泡体製造を100%再生可能エネルギー利用に

2024年10月02日(水曜日)

 エボニックは、主要拠点であるドイツ・ダルムシュタットで高機能硬質発泡体「ロハセル®」の製造において、再生可能エネルギー由来の電力のみを使用するようにアップグレードした。これにより、エボニックのハイパフォーマンスポリマー事業では、年間3400tのCO2排出量を削減することになる。なお日本では、ポリプラ・エボニックがロハセル®事業を展開している。

 ロハセル®は、非常に軽量で高温高圧に耐えることができる硬質ポリメタクリルミド構造フォーム。この高性能発泡体は航空、エレクトロニクス、医療技術、輸送、スポーツ用品などの業界のハイエンド用途の材料として使われている。複合材料のコア材として最適で、高速鉄道や電気自動車の部品など、ロハセル®で作られた最終製品は、強度が高い一方で全体の質量が軽く、総合的な生産効率を向上させ、CO2排出量削減の可能性が高い。

 エボニックのフォーム&PEEK製品部門の責任者であるヴェルナー・エッシャー氏は、「サステナビリティは、エボニックのハイパフォーマンスポリマー事業の成長戦略の重要な部分。エボニックは、ロハセル®の全体的な二酸化炭素排出量を削減することで、顧客に対し、より環境に優しいソリューションを提供するという当社のビジョンに向けて決定的な一歩を踏み出している」と述べる。

 ダルムシュタット工場へのロハセル®生産のためのグリーン電力の供給は、グリーン電力証書と特別供給契約、いわゆる電力購入契約(PPA)によって確保されている。持続可能なエネルギーによる電力を生産工程に独占的に使用することで、排出量の削減に貢献し、その結果ロハセル®のユーザーは、自らの製造製品の持続可能性を高めることにつながる。

 エボニックは、2030年までに売上高の50%以上を「次世代ソリューション」から生み出すという目標を掲げている。その中には、平均以上のサステナビリティのメリットを提供するロハセル®も含まれている。