ダイセル(https://www.daicel.com/)は、プラスチックシート内部に熱線を埋め込んだ曲げられる透明ヒーターを開発した。銀ナノ粒子インク「Picosil®」を厚み100μm以上の高アスペクト比の銀熱線(配線)にする技術を用いて、河村産業の協力のもとで作成したもの。ナノサイズの銀粒子が均一に分散したインクで、低温・短時間の焼結処理で抵抗農低い銀熱線となるため、低電圧で高電流を流すタイプの省電力ヒーターの作成に適する。銀熱線はフィルム内部に封止された構造をとる。
同ヒーターは通電1分で表面温度が約60℃まで上昇し安定。表面に付着したインフルエンザウイルスは通電30分後には99%以上が不活性化され、60分後には不検出となった。同社では今後、新型コロナウイルスに対しても同様の評価を進める予定。同ヒーターを飛沫拡散防止板として利用すると、飲食店などでの消毒液噴霧の手間を省力化できるほか、窓ガラスの曇り止めや結露防止、融雪などへの応用も期待される。