第1回 ファーマラボ EXPO-[医薬品] 研究開発展-が7月3日~7月5日、東京都江東区の東京ビッグサイト 青海展示棟で開催された。
同展は、創薬・製剤研究を支援するための研究機器・試薬・設備・サービスなどが一堂に出展する医薬品研究開発の総合展。分析評価機器関連では、以下のような展示がなされた。
大塚電子( https://www.otsukael.jp/ )は、顕微分光膜厚計「OPTM series」を紹介した。透明サンプル(材料に吸収があっても透過率がゼロでなければ計測可能)の膜厚に加えて、光学定数(屈折率:n、消衰係数:k)といった膜由来の構造解析を、非接触・非破壊・顕微で迅速に計測できる。薄膜~多層膜まで1台で対応できるため、計測素材によって段取り替えをする手間がなく、機能性フィルム、プラスチック、半導体、電池材料、光学材料、センサー、ディスプレイ用部材、医用部材など幅広い材料、アプリケーションにおいて作業効率・生産タクトを大幅に向上できる。
京都電子工業は、「EMS粘度計EMS-1000S」を展示した。磁場の力を利用してサンプル容器の外部から遠隔操作で試料中の球状プローブにトルクを与えることにより、非接触で試料の粘度を測定。低粘度から高粘度まで1台で測定できる。必要試料量90μLのため従来法では試料量が足りず評価できなかった試料の測定が可能。また、GMPに基づいたデータの完全性対応を支援する機能を強化した「電子記録/電子署名(ER/ES)対応支援ソフトウェア」を紹介した。
コニカミノルタジャパン( https://www.konicaminolta.jp/instruments/products/color/index.html )は、医薬品で実績の多いオールインワンの分光測色計「CM-5」を展示した。粉体・液体・錠剤・ペースト・フィルムなど様々な試料の色を1台で簡単計測できる。創薬などの高額な粉の微量(従来の約1/20の量)測定が可能なため、作業時間の短縮やコスト削減につながる。ガードナー色数、ハーゼン単位色数、ヨウ素色数、欧州薬局方や米国薬局方など、各種色試験指数があらかじめ登録されている。医薬品の製造や品質管理において計測機器に要求される、据付時適格性確認(IQ)、稼動能適格性確認(OQ)、稼動時適格性確認(PQ)に関する証明書が発行可能。
三洋貿易( https://www.sanyo-si.com/ )は、液中分散安定性評価装置「TURBISCAN Lab(タービスキャン・ラボ)」を展示した。液中分散安定性は多くの場合高温化すると分散安定性は下がり、より短時間での評価が可能となるが、本機は温調が可能で様々な追加評価が可能。1サンプルの分散状態を自動で高精度にスキャン、測定間隔は最短30秒と短い時間で不安定化するサンプルでも分散性の変化を正確にとらえることが可能。プログラム測定で長期試験でも間違いなく自動でスキャンを行うことができ、安心して結果を待つことができる。
DKSHジャパン( https://www.dksh.com/jp-jp/products/rheosense-vroc-initium )は、米国レオセンス製の全自動超微量サンプル粘度計「VROC Initium」を展示した。サンプル導入から流路の洗浄まで全てを自動化したモデルで、従来煩雑な作業と多量のサンプルを必要とした粘度測定の問題点を解決することで、バイオ医薬品や生体試料、インクジェットインク、各種石油化学製品、電池材料など幅広い分野で研究開発や品質管理に貢献することができる。測定範囲は0.2~100000cpと広く、10μL~の少サンプル量で測定できる。温度・せん断速度スキャン対応。
トリニティーラボ( https://trinity-lab.com/ )は「静・動摩擦測定機 TL201Tt」を紹介した。金属、樹脂、フィルム、繊維、コーティング膜、潤滑剤などの物質間におけるトライボロジー特性から、肌、毛髪、各種物質に触れた触覚、さらにタック(べた付き)性の評価測定が行える。直線摺動部にボールねじ仕様の高精度アクチュエータを採用することで、長時間の耐摩耗試験、低摩擦測定、激しいスティック&スリップ測定にも精度良い測定結果が得られる。また、荷重変換器(ロードセル)の実荷重校正が本体に装備、付属の基準分銅を使用して頻繁に荷重校正が行えるため、信頼性の高い測定データが得られる。