イグス、3Dプリント製のすべり軸受の寿命予測ができるオンラインツールを開発

2018年07月03日(火曜日)

 イグス( https://www.igus.co.jp/ )は、⻑年にわたり自社試験施設でのテスト結果から製品の寿命予測を⾏いオンラインツールで提供してきたが、このほどオンラインツール「イグリデュール・エキスパートシステム」 ( http://www.igus.co.jp/iglidur-expert )の機能を用いることで、3Dプリント製のすべり軸受についても寿命予測を可能にした。

 3Dプリント製のすべり軸受としては、同社の耐摩耗性樹脂材質「イグリデュール」製フィラメント「トライボフィラメント」(耐摩耗性に優れたフィラメントを意味する商品名)を用いて成形した製品が昨年リリースされた。その寿命予測が可能になったことにより、ユーザーの設計の自由度がより高まることになる。

 同社では2014年のハノーバー・メッセで初めて「イグリデュール・トライボフィラメント」を紹介、現在では6種類の熱溶解積層法(FDM)用トライボフィラメントと2種類のレーザー焼結(SLS)用材質「トライボパウダー」(耐摩耗性に優れた粉末を意味する商品名)をラインナップし、産業用途で使用できるすべり軸受がすぐに成形できる体制になっている。

 3Dプリントサービスは僅か3ステップで利用でき、試作品または少量生産用特殊パーツに至るまで、構成から⾒積り依頼が簡単、迅速しかも低コストに行える。より経済的な材質でエネルギー消費が少ないカスタム品が速やかに生産できることで、コスト削減の可能性は大幅に拡がる。

 イグスの自社試験施設では、イグリデュール樹脂材質の耐摩耗性や摩擦特性を集中的に試験。年間10000件の試験から得られたデータがオンライン寿命予測ツールのデータベースに取り込まれている。オンラインツール「イグリデュール・エキスパートシステム」は僅か4ステップでユーザーの要件を読み込み、無潤滑・メンテナンスフリーのイグリデュール材質の適性や寿命予測結果を提示する。

 この試験施設での徹底的な品質試験により、射出成形部品や3Dプリント部品の寿命は正確に予測可能で、3Dプリント軸受の寿命を予測する機能は、オンラインツール「イグリデュール・エキスパート」に入っており、現在全6種類の材質のオンライン寿命予測を提供している。