イグス( https://www.igus.co.jp )は、2016年から開発を進めてきた、様々なセンサーや監視モジュールによって要素部品にインテリジェント機能を付加したスマート・プラスチック「isense」製品群について、このほど、スマートファクトリー化に貢献する改良版を投入した。
ケーブル保護管「エナジーチェーン」やケーブル、リニアガイド、ロータリーテーブルベアリング等に装備し、設備運転中に摩耗具合を監視して修理や交換の必要性を早期に喚起する「isense」は、同社の通信モジュール「icom」とのネットワーク接続により、パソコンやタブレット端末、スマートフォンにオンラインでステータス表示や警告を出すほか、ユーザーのインフラへの直接統合も可能。こうしたインテリジェント機能を搭載した同社のケーブル保護管やリニアガイド、ロータリーテーブルベアリング製品群の総称である「スマート・プラスチック」は、すでに自動車産業をはじめ幅広い産業で適用が進んできている。
同社が今年4月にドイツのハノーバー・メッセで発表した改良型isenseモジュールは、「エナジーチェーン」や、ケーブル、リニアガイド、ロータリーテーブルベアリング等からデータをセンサーで収集する。このモジュールにはシリアルインターフェースが装備され、制御キャビネットに容易に統合可能で、データロガーがSDカードに数値を蓄積する。種々のisenseシステムで計測されたデータは、無線でicomモジュールに送信され、解析・処理される。
また、イグスのデータセンターへの接続も可能で、広さ2750㎡のイグス試験施設で得られた多くの用途別事例の試験データを基に、機械学習やAIアルゴリズムを基に推奨されるメンテナンス時期を決定。ユーザーはこのメンテナンス時期を目安に予知保全につなげることができる。
イグスに新設された「スマート・プラスチック」部門責任者のリチャード・ハーベリング氏は、「オンライン寿命計算ツールに用いられる数多くの試験データは、実際の使用環境における要件を考慮したもので、isense製品群はその寿命データを常時更新して、正確な寿命予測を行うことができるため、メンテナンスや交換作業を必要最小限に抑制でき、保守費用を節約することができる」と語っている。