NOKのグループ会社である日本メクトロンは身体にフィットしながら通電性を持つフレキシブルプリント基板(FPC)である「ハイドロゲル付きストレッチャブルFPC」をヤーマンと共同開発した。
日本メクトロンでは、同社の牛久事業場(茨城県牛久市)にハイドロゲル付きストレッチャブルFPCを月間10万個の製造が可能な体制を2023年8月より整え、今後のヘルスケア領域の拡大に向けた量産体制に対応している。
開発したハイドロゲル付きストレッチャブルFPCは、全方位に150%まで伸長しても通電できるストレッチャブルFPCの全面に、高い保水率を持つハイドロゲルを貼り合わせたもの。日本メクトロン独自の加工技術で、伸縮性のないハイドロゲルもストレッチャブルFPCの隅々まで追随する。これにより、接続するデバイスからの電力を、複雑な曲面を有する人体にも効率よく伝達することが可能となった。
また、ハイドロゲル付きストレッチャブルFPCは、1mmの厚さのハイドロゲルを採用し、独自のプレス加工技術により、複数回利用しても快適に利用することが可能。通常、厚みのあるハイドロゲルは粘着性が強く、複数回使用できるメリットがあるが、一般的なプレス(打ち抜き)加工を行うと断面からハイドロゲルが漏出してしまい、使用時の不快感につながっていた。日本メクトロンは、この課題を解決し、ヘルスケア、美容用途など、直接肌に触れる部分にも快適に使用できるようにした。
ハイドロゲル付きストレッチャブルFPCを採用した美顔器「デザインリフト」がヤーマンより発売されているが、ハイドロゲル付きストレッチャブルFPCの特性を生かし、引き上げるように装着することで、眼輪筋へのアプローチを効率よく行える。