Medtec Japan 2021が開催

2021年05月11日(火曜日)

 医療機器の設計・製造に関する展示会・セミナー「Medtec Japan 2021」(主催:インフォーマ マーケッツ ジャパン)が4月14日~16日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。ソフトマター関連では以下のような展示がなされた。

Medtec Japan 2021のようす
Medtec Japan 2021のようす

 NTTデータ ザムテクノロジーズは、スペイン GPAINNOVA社の「乾式電解研磨 DLyte®」の装置稼働実演と人工関節などの加工サンプル展示を行った。DLyte®は、樹脂メディアを使用しイオン交換により金属を研削・研磨、電解質として液体を使用しない新しい特許技術。初期の形状、切削角を保持し、アクセスが難しい複雑な形状も研磨可能で、研削パターンまたは微小な傷も残すことなく、表面全体を均一に研磨し、複雑な形状を研磨加工できる。寸法変位をさせず、容易な機器操作によりワンステップで鏡面仕上げを実現できることを強調した。

NTTデータ ザムテクノロジーズ「乾式電解研磨 DLyte®」の装置稼働実演
NTTデータ ザムテクノロジーズ「乾式電解研磨 DLyte®」の装置稼働実演

 SOLIZEは生体適合材料を用いて3D造形した「ストップギャップフェースマスク(COVID-19緊急対応品)」や「歯列模型」、「高速疾患検出デバイス模型」などの樹脂製品を展示した。国内最大級のキャパシティ(3Dプリンターの保有台数37台)で短納期での対応が可能なほか、独自開発材料3種を含む多様な材料ラインナップにより、高耐熱パーツ製作や性能評価試験用の試作品製作も可能なことをアピールした。

SOLIZE「生体適合性材料を用いて3D造形した医療関連製品」
SOLIZE「生体適合性材料を用いて3D造形した医療関連製品」

 トーカロは、抗菌・抗ウイルスコーティング「EF-KoteM+d」を紹介した。低温施工のため多種多様な基材に被覆可能で、ウレタンやCOPなどの難施工材にも適用できる。次亜塩素酸ナトリウムなどに高い耐性を示し樹脂基材を保護、環境遮断性に優れる(諸機能も維持)。さらに、優れた撥水性と防汚性により、異物付着が低減(抗菌・抗ウイルス機能を長期間維持)する。

トーカロ 抗菌・抗ウイルスコーティング「EF-KoteM+d」を被覆した樹脂材料
トーカロ 抗菌・抗ウイルスコーティング「EF-KoteM+d」を被覆した樹脂材料

 富士フイルム和光純薬は、エンドトキシン測定受託サービスを紹介した。エンドトキシンが生体内に混入すると極めて微量でも発熱を引き起こすことから、エンドトキシン試験は注射剤や医薬品医療機器関連のような体内に入る物の品質管理に用いられてきたが、近年、再生医療分野においても品質管理の一環として測定が必要となっており、その重要性が増している。同社では長年にわたりエンドトキシン試験に必要な試薬と機器の研究開発から販売まで行ってきた経験と実績を活かし、信頼性のある測定を受託サービスとして提供できるとアピールした。

 リガクは、実験動物用3DマイクロX線CT 「CosmoScan」を展示した。マウス・ラットから小型のウサギまで、高速・高解像度・広視野で撮影可能。最小画素サイズ4.5μmの高解像度撮影機能を搭載したGXタイプや、高速イメージングにより低被爆を実現したFXタイプ、ワイドガントリで中型実験動物に特化したAXタイプなど幅広い製品ラインナップで多様なニーズに対応できる。また、心拍・呼吸同期ソフトウェア、3D脂肪解析ソフトウェア、経時変化解析ソフトウェア、容積計算ソフトウェア、医用画像解析ソフトウェアなどのアプリケーションソフトウェアも充実しており、臨床・創薬研究の質を向上できることをアピールした。

リガク 実験動物用3DマイクロX線CT 「CosmoScan」
リガク 実験動物用3DマイクロX線CT 「CosmoScan」