東レ、省エネ高ウイルス除去UF膜を開発

2021年04月12日(月曜日)

 東レは、高ウイルス除去性と高透水性を兼ね備えたPVDF(ポリフッ化ビニリデン)製限外ろ過(UF)膜を開発した。

 開発品では、ウイルスが通り抜けやすい100nm程度以上の粗大空隙の存在に着目、独自の相分離制御技術を用いて、孔径分布の均一な薄層を重ねることで、粗大空隙を極限まで抑制した均一緻密構造を創出。これにより薄層にしてもウイルス除去性が損なわれず、直径約27nmのウイルス(大腸菌ファージMS2))を用いたろ過評価で除去率99.99%を実現した。

 また、独自の中空糸膜プロセス技術を駆使、薄層化した均一緻密構造を設けるとともに均一緻密構造以外を高空隙率化させることで水が流れる流路を多く確保し、膜全体の透水性を高めることで、高ウイルス除去性と高透水性を両立した。
 

東レ 透水性-ウイルス除去性の関係(大腸菌ファージMS2でのろ過評価)
透水性-ウイルス除去性の関係(大腸菌ファージMS2でのろ過評価)