三菱ケミカル、バイオエンプラがいすゞトラック3車種のレーダーカバーに採用

2021年04月12日(月曜日)

 三菱ケミカルのバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO™」が、いすゞ自動車の小型トラック「ELF」、中型トラック「FORWARD」、大型トラック「GIGA」の交差点警報およびブラインドスポットモニター(BSM)用レーダーカバーに採用された。DURABIO™がトラック部品に採用されたのは今回が初めて。

 同社では現在、トラックなど商用車を含めた、自動車業界の CASE 化(Connected(コネクテッド)・Autonomous(自動運転)・Shared & Services(シェアリングとサービス)・Electric(電動化))により増加が見込まれる車内外のレーダーやセンサーに対応する素材として DURABIO™の用途展開を加速させている。

 DURABIO™は、再生可能な植物由来原料イソソルバイドを用いたバイオエンプラで、耐衝撃性、・耐候性・耐熱性などの点で一般的なエンプラよりも優れた物性を持つ。また、顔料を配合するだけで艶やかで光沢のある表面を作ることができるほか、表面が硬く擦り傷が付きにくいため、塗装・コーティング工程が不要となり、製造時に塗料から発生するVOC(揮発性有機化合物)を低減できる。これらの特性を活かし、自動車の内外装意匠部品への採用が進んでいる。

 いすゞでは、交通事故を低減するために常に先進的な安全装置を搭載したトラックを開発しており、車両や歩行者などを検知するレーダーのカバーに電気特性にも優れた DURABIO™を採用した。DURABIO™の塗装レスのカバーを採用することで塗料によって電波が遮蔽される懸念がなく、検知エリアや感度の質を維持することが可能。また、外装材に求められる耐衝撃性や耐候性といった物性に加え、環境配慮型の素材である点が、いすゞの地球環境と社会の持続可能な発展に貢献するというCSRの考え方に合致することからも評価されたもの。  

三菱ケミカル 各車種の BSM レーダーカバー位置(画像提供:いすゞ自動車)
各車種の BSM レーダーカバー位置(画像提供:いすゞ自動車)