王子ホールディングス、パルプを原料としたバイオプラスチックの製造を検討

2019年11月19日(火曜日)

 王子ホールディングスのバイオプラスチック(ポリ乳酸、ポリエチレン)開発事業が、双日プラネットとともに、環境省が行う CO2 排出抑制およびプラスチック資源循環システムの構築を目的とする委託事業「令和元年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」に採択された。

 同事業は「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月31日決定)に基づく環境省の取組み。従来の石油由来プラスチックを再生可能な資源由来のプラスチックへと転換することを目的として、社会実装にかかる技術開発やリサイクルプロセス構築の実証を行うもの。

 従来の石油を原料とするプラスチックを、持続可能なバイオマスを原料としたバイオプラスチックに置き換えることで、大気中への CO2排出を抑制し、地球温暖化防止に貢献していく。一般的なバイオプラスチックは主にサトウキビやトウモロコシなどの可食原料から製造されるが、本事業では非可食である樹木由来のパルプを原料としたポリ乳酸やポリエチレンの製造を実証する。これにより、食品原材料との競合をなくした非可食バイオプラスチックの普及を目指す。

 双日プラネットではすでに 2012 年からBraskem 社(ブラジル)製のグリーンポリエチレン(サトウキビ由来)の販売・普及活動を行っているが、今後、王子ホールディングスではパルプからのポリ乳酸、ポリエチレンの製造検討を、双日プラネットでは既存のバイオプラスチック販売網を活かし、本実証事業で製造したバイオプラスチックのユーザー側での利用性やリサイクル性の確認、LCA 解析、マーケティングなどを行う予定。
 

パルプを原料としたバイオプラスチック・ソフトマターの製造を検討