イグス、最長21mのケーブル・ホースを巻き取るスプリング式システムを開発

2019年07月09日(火曜日)
スプリング式eスプール

 イグスは、高価なスリップリングなしに、様々な用途環境で動力、媒体、光ファイバーケーブルなどをまとめてガイドできる省スペースなシステム「eスプール」を提供しているが、このほど、最長21mという長い距離で利用できる「スプリング式eスプール」を標準製品として開発した。

 開発されたコンパクトなスプリング式eスプールは、舞台技術や石油プラットフォーム、プロセスクレーンなど、地上の高所や地中深く狭い場所でもケーブルを確実に引き出すことができる。一般的なケーブルドラムに代わるソリューションで、以下の二つの特徴を持つ。

 eスプールは電力だけでなく、データや圧縮空気、液体等あらゆる媒体を一つにまとめて伝送できる。狭い場所で様々なケーブルを一つのシステムにまとめて途切れなく接続可能にするだけでなく、ケーブル交換や追加も随時可能としている。

 eスプールはまた、ケーブルの絡まりを防ぐため、二種類のシステムを一つにまとめているため、高価なスリップリングを不要としている。ガイドローラーを装備した標準型エナジーチェーンが、内蔵された巻戻しスプリングで長さや引張力を常に最適に調整し、ツイスターバンドが回転動作を確保。特殊構造により、あらゆる方向への動作が可能となっている。

 今回開発された新型eスプールは、スプリング式で最長14mの標準型eスプールと、オフショアやオペラハウスなどの大型プロジェクトで使われるモータドライブ式長距離型のeスプールパワーの中間で欠けていた領域をカバー。これまでよりも高い収納力を持つ大型のツイスターバンドが装備されているほか、今まで以上に高い積載量や引出し長さを実現するために安定感の高い閉鎖型のボディや巻き戻し防止のための強化型底面プレートも装備している。より強い力に対応できるよう、ばね力を調整するために最適化されたメカニズムも採用。新型eスプールでは、高負荷対応のばねを2個搭載したスプリング式の標準品と、特注品としてモータ駆動バージョンを用意している。