イグス、寿命2倍以上のロングストローク用ケーブル保護管を開発

2018年07月24日(火曜日)

 イグス(https://www.igus.co.jp)は、クレーンやガントリー設備の稼働時間を高めるため、チェーンリンク各結合部に同社コア技術であるすべり軸受技術を組み込んだロングストローク用ケーブル保護管「P4.1ロールEチェーン」を開発した。チェーンリンク各結合部に耐摩耗性に優れる新開発のすべり軸受を組み込むことで、よりスムーズな⾛⾏を可能にするとともに、エナジーチェーンの寿命を2倍以上に延⻑した。例えば港湾コンテナクレーン向けで15年、あるいは20000時間を超える寿命を高品質、省メンテナンスで達成する。

ロングストローク用ケーブル保護管「P4.1ロールEチェーン」

 また、新しいisense摩耗センサー等のスマートモニタセンサーをオプションとして装備することで、予知保全が可能になる。

 本製品の前モデルである「P4ロールEチェーン」はこれまで、世界各地の1000点を超えるクレーンやガントリー設備で採用され、800mに及ぶロングスパンや、毎秒5m以上の高速、数百万回往復での低振動・低騒音を実証している。

 新製品の「P4.1シリーズ」は、チェーンリンクにローラーを取り付けることで、摩擦を最小化し寿命を最大化した。上部および下部⾛⾏部は、重なる時に少しずれるように設計されており、樹脂製ローラー同士が乗り上げることなく相互に滑りながら通過するため、⾛⾏音は非常に静かになる。摩擦係数が低下するため、駆動⼒が57%低減される(対P4シリーズ)。

 オプションとして摩耗センサー等を取り付けた場合、センサーが既定の摩耗限度を検知した時点で、イグス icomコミュニケーションモジュールに信号が送られ、これによりメンテナンスを計画的に実施でき、設備トラブルを未然に防止できる。

 icomモジュールデータの使い⽅はユーザーの要求によって異なり、交換情報だけを既存のソフトウェア環境やイントラネットに統合したり、あるいはインテリジェントで高速な寿命予測をイグスデータセンターに結合して⾏ったりできる。この場合には、機械学習やAIアルゴリズムによるメンテナンス予測は、多くの既存アプリケーションから得られたデータと絶えず比較される。

 「P4.1ロールEチェーン」のインテリジェントなネットワーク形成により、保守担当者はエナジーチェーンの寿命データに時間や場所を選ばずにアクセスできる。