へレウス、抗菌用コーティング剤の独占開発製造販売権を取得

2021年03月30日(火曜日)

 ドイツ・へレウス( www.heraeus.co.jp )は、ベルリンのスタートアップ企業であるLargentec(ラーゲンテック)社から、触媒担持抗菌用コーティング剤「AGXX(エージーダブルエックス)粒子」の独占開発製造販売権を取得したと発表した。

 同品は、触媒の酸化還元反応とマイクロ電界効果に基づいた抗菌用コーティング剤。空気中に湿度があると、酸素は活性酸素種(ROS)に変換され、有害な細菌、ウイルス、真菌と反応して増殖を防ぐ。このようにして、同品または同品でコーティングされた材料は、効果的にバイオフィルム(生物膜)の形成を防ぎ、抗菌性能を発揮する。これまで、新型コロナウイルス感染症を含む130以上の微生物に対する抗菌性能テストを実施されており、良好な結果を得ているという。

 主な特徴としては、①抗菌効果が持続するためコーティング作業をやり直す必要がなくメンテナンスコストが発生しない、②医薬品や有害な殺生物剤を含まないため人間や動物、環境に有害な影響がない、など。

 応用分野としては、フェイスマスク、医薬品、塗料、ニス、繊維製品、空調システム、バスや電車内の手すりや吊り革などの表面やハンドルなど多岐にわたる。新しいタイプのAGXXのほか、様々なコーティング剤をトイレのドアで試験した結果、6ヶ月経過後しても細菌は生存していなかったという。

AGXXの抗菌性能

 ヘレウスのビジネスユニットの一つである、ヘレウス プレシャスメタルズ事業開発責任者マーティン・ダンズ氏は、「私たちは現在、本製品を細菌などの付着による影響を受けやすい材料や製品に応用するために全力で取り組んでいる。本製品は新型コロナウイルスによってますます高まる衛生保持や衛生管理にも貢献することができる、と考えている」と述べている。