三井化学、ヘルスケア・医療機器 開発展で形状記憶シート活用を提案

2021年03月09日(火曜日)

 三井化学は、2月3日~5日に千葉市美浜区の幕張メッセで開催された「ヘルスケア・医療機器 開発展」に出展し、形状記憶シート「HUMOFIT(ヒューモフィット)」を活用した製品イメージのプロトタイプを展示した。

 HUMOFITは、人の体温を感知して体をやさしく包み込む、高機能のプラスチック新素材。触れた瞬間からどんどんやわらかくなり、触れたその手にあっという間になじむという、不思議な感触が得られることから、この特性を活かして、人に寄り添い、やわらかく包み込む、新しい心地よさを提供し、体と物の不一致による痛み、疲労、違和感から、人々を開放できる素材として、自動車、医療、介護、ヘルスケア、スポーツ、シューズ、アパレルなど幅広い分野の開発者、企画者、デザイナーなどに注目されている。

 HUMOFITのガラス転移温度(ポリマーが劇的に軟化する温度)は約28℃と、室温(約23℃)と人間の体温(約36℃)の間に存在している。自分の手の体温がこのシートに熱を伝え、シートの温度がガラス転移温度を超えることにより、触れたその手にあっという間に馴染むという、不思議な心地よさが得られる仕組み。

 体へのフィット感を求めるニーズが予想されるHUMOFITの用途としては、アパレル、シューズ、シート、バンド、サポーター、寝具、ヘルメット、ヘッドホン、スポーツ製品などがある。また、新型コロナウイルスの影響により、リモート社会へのパラダイムシフトが始まった社会において、ウェアラブル、VR、AR、eスポーツ、医療IoT等、新たな市場で、体に装着するデバイスの需要が急拡大することが予想されており、こうした新市場にも「人に寄り添う」やさしい素材として適用が見込まれている。

 展示会では、HUMOFITをイヤーパッドに使用したヘッドホンを展示し、実際に耳に当ててヘッドホンとのフィット感を得られることで、痛み、疲れ、違和感を忘れ、パフォーマンス・集中力を高められるという安心感を得られることができることを体感してもらうデモを行った。

HUMOFITをイヤーパッドに使用したヘッドホン
HUMOFITをイヤーパッドに使用したヘッドホン
HUMOFITを使用したイヤーパッドの構成
HUMOFITを使用したイヤーパッドの構成