コンバーティングテクノロジー総合展が開催、フィルム向け計測技術が披露

2020年02月20日(木曜日)

 「新機能性材料展2020」、「3次元表面加飾技術展2020」など「コンバーティングテクノロジー総合展」が1月29日~31日、東京都江東区の東京ビッグサイト西3、4ホールで開催された。

 ソフトマターであるフィルム製品の品質管理などに貢献する計測技術としては今回、以下のような展示があった。

 クラボウは、化学組成の定性/定量分析に利用される赤外分光技術によって測定したい層や成分に狙いを定める、いわば”化学の眼”を持つ「赤外吸収式膜厚計」を紹介した。プラスチックフィルム製造ラインやコーティングラインなど、様々な現場のオンライン計測の幅広いニーズに対応できる。ラミネートフィルムの製造ラインでは基材の影響を受けずに接着剤のみを狙って測定。デラミネーション防止に不可欠な接着剤の配合比率や塗布量を検知できるほか、ポットライフの管理にも貢献できる。また、リチウムイオンバッテリーの製造ラインでは、セパレーター基膜だけでなく、各種耐熱コートの厚みも各層個別かつ同時に測定できる。光学フィルムの製造ラインでも、偏光フィルムの水分計測による製品カールの管理や、保護フィルムの厚み管理や水分管理、反射防止コートやハードコートの厚み管理など、広範な測定ニーズに対して、液体濃度成分計などのトータルソリューションで高機能フィルムの製造プロセスを一貫してサポートできることをアピールした。

クラボウ「赤外吸収式膜厚計」
クラボウ「赤外吸収式膜厚計」

 

 コニカミノルタは、熟練の目視に近似した感度を持ち誰でもOK/NGの判断を可能とする、フィルム表面やコーティング膜表面などの微細キズ・汚れ評価を実現する外観検査システム「ProMetricYシリーズ」を紹介した。人の目と近似した感度を持つ高精度カメラで、ペルチェ素子を用いた高冷却機能による低ノイズを実現、高コントラスト性能と併せて極微細な欠陥も検出できる。また、高いコントラスト分解能12bit (4096)により、識別しにくい欠陥も検出可能なほか、最大2900万画素(6576×4384)という高分解能により微小な欠陥も検出できる。最近は4300万画素(8040×5360)のモデルも登場しているほか、目の感度に近いフィルターあるいはIR感度タイプも選択できる。人工知能(AI)の実装手法の一つとして深層学習(ディープラーニング)の技術が進展し実用化してきているが、同社では外観検査における自動化の一環として、高精度カメラとディープラーニングとの組み合わせ技術についても提案を進めている。

コニカミノルタ「ProMetricYシリーズ」
コニカミノルタ「ProMetricYシリーズ」