ポリプラスチックス、機械特性・電気特性・成形加工性に優れたCOCエラストマーを開発

2019年11月26日(火曜日)

 ポリプラスチックスは、独自のポリマー設計技術によってCOCの結晶構造を制御して開発した新しい熱可塑性の透明エラストマー「TOPAS E-140」を開発した。ライフサイエンス分野、医療機器・医薬包装分野、電子デバイス分野での応用が期待される。

 開発品は、従来の環状オレフィン樹脂をはるかに超える靭性と柔軟性を実現。引張弾性率は44MPa、引張破断伸度は450%を超え(ISO 527-T2/1A)、氷点下の低温温度領域でも優れた延性を維持。TOPAS標準グレードと同様に、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性(アルコール類、ケトン類等の極性溶剤)に優れ、エラストマー樹脂の中では高い水蒸気バリア性を有する。

TOPAS® COC E-140のS-Sカーブ (ポリプラスチックス測定値)
TOPAS COC E-140のS-Sカーブ(ポリプラスチックス測定値)

 また、誘電特性に優れ、極めて低い低誘電率、低誘電正接の値を示す。さらに、既存の成形設備を用いた、射出成形、溶融押出機によるフィルム・シート・チューブ類の成形、ブロー成形機によるボトル類、溶融紡糸によるフィラメント・ファイバーの成形が可能。TOPASの標準グレード、他のオレフィン樹脂との複合化や混合使用により、材料の改質や新たな機能付与が可能になる。

 医薬・医療用材料としての特長としては、TOPAS一般グレードと同様に、TOPAS E-140は純粋性が優れており、金属元素等の不純物の含有量が極めて少ない、低溶出性のエラストマーとなっている。米国、EUおよび日本における医薬・医療機器・食品のレギュレーションに適合、登録されている。電子線滅菌、ガンマ線滅菌による滅菌処理が可能。