日本食品機械工業会、FOOMA JAPAN 2019を開催

2019年07月19日(金曜日)

 日本食品機械工業会は612日~15日、東京都江東区の東京ビッグサイトで「FOOMA JAPAN 2019 国際食品工業展」を開催した。同展は、食品製造・加工機械を中心に原料処理から包装、物流に至る食品製造プロセスの総合展で、第41回目となる今回は食の技術のニッポン力(りょく)。」をテーマに、食の基盤となる安全・安心を確保した上で、食生活・食文化を豊かにするための最新の製品・技術が展示された。

 

 ソフトマター計測評価関連技術や制御関連技術では、以下のような出展があった。

 アタゴ( https://www.atago.net/ )はデジタル粘度計「VISCO™」を展示した。高さ20cm、重量895gと片手で持ち運べる軽量・コンパクトサイズで、電池駆動が可能なためどこでも測定できる。また、15mLまたは100mLと少量のサンプルで測定可能。組み立ても30秒で容易に完了するほか、ボタン一つでの単純操作設定から測定まで実施できる。付属のビーカー以外に紙コップやプラスチックコップ使い捨ての容器等も利用できる。低粘度サンプルアダプター(ULA)の使用で12000mPasと低粘度から高粘度までの測定が可能。近日発売予定のデジタルB型粘度計「VISCO-B」も披露した。

 

 アントンパール・ジャパン( http://www.anton-paar.com )は粒子径分布測定装置「Litesizerシリーズ」を披露した。「Litesizer100」は分散系と溶液内のナノ粒子と微粒子の特性を分析するための装置で、動的光散乱(DLS)の測定で粒子サイズを測定する。「Litesizer500」は分散系と溶液内のナノ粒子と微粒子の特性を明らかにする装置で、DLS、電気泳動光散乱(ELS)、静的光散乱(SLS)を測定することで、粒子径、ゼータ電位、分子量を決定する。いずれもワークフローは1画面で確認することができ、入力パラメーター、結果、分析も全て同じ画面に表示。測定条件は数秒で設定でき、1クリックで必要な分析結果とレポートを作成できる。

 

 不二WPC( https://www.fujiwpc.co.jp/ と本年530日に同社食品関連部門を分離して設立した新会社サーフテクノロジー( https://www.microdimple.co.jp/ )は、小麦粉やコーンスターチなど柔らかい食品粉体のホッパーやフルイなどへの付着を抑制する効果があり採用実績の多いショットピーニング技術「マイクロディンプル処理®」をベースに、より細かい粉体の付着抑制効果を実現しつつ、食中毒の原因となる大腸菌などの菌繁殖を抑制、さらには死滅させる抗菌処理「Anti-Bac処理」を紹介した。コーティングフリー・薬剤フリーでの抗菌処理が可能なほか、食品や粉体、フィルムの滑りや付着抑制にも従来のマイクロディンプル処理と同等の効果を発揮。コーティング膜のように剥がれる心配がなく、抗菌効果と異物混入対策を両立できることをアピールした。

 

 マウンテック( http://www.mountech.co.jp/ )は、BET流動法(1点法/多点法オプション)を用いた全自動比表面積測定装置「Macsorb」を展示した。あらゆる粉体の比表面積測定が可能で、脱気~吸着~脱離~キャリブレーションの各工程を連続的に自動で行うため、サンプルをセットすれば後はPCまかせの 無人測定が可能。オートサンプラーにより最大30検体の連続測定が可能なため、夜間無人運転が可能。全自動により人為的操作が介在しないため、高再現性・高精度の値を得ることができる(再現性±1%、サンプルによる)。電子部品、電池、触媒等の粉体原料の品質管理における標準機として多くの業界で使用されている。

 

 武蔵エンジニアリング( http://www.musashi-engineering.co.jp )は、「2色3D JETチョコオーナメント製造システム」を展示、卓上型ロボットと、最速333ショット/秒の超高速で中・高粘度液剤を塗布できるJET式吐出ヘッド「AeroJet」、冷却ステージ温調を用いて、3Dプリンターのように2色のチョコを交互に積み上げていくデモンストレーションを行った。オーナメントの高さを数cmにすることも可能で、製菓の上に直接チョコレートオーナメントを形成できる。交互に積み上げるため、積み上げた壁面が市松模様のようなチェック柄になる様子を示した。